書籍紹介」カテゴリーアーカイブ

東洋の知識体系―清朝時代の園芸手引書に垣間見る―

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秘傳花鏡 支那園藝 訳註:杉本行夫 弘文堂書房昭和19年初版 B6判 P241 経年ヤケ、イタミ カバー上下端少破れ P209角折れ跡、5ミリ程度の破れ

副題に「支那園藝」とある通り、本書の原本は清朝中国の康煕年間に著された園芸書です。わが国でも遅くとも江戸中期~後期には翻刻が出回っていたようで、今回ご紹介する本書はその翻刻版を現代語訳したもの。ただし原本全六巻のうち、第一巻、第二巻、第六巻のみを全訳し、第三~五巻は抄訳となっています。
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宵待ノ草ヲ食ム塞翁ガ馬

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『浅草オペラの生活―明治・大正から昭和への日本歌劇の歩み―』内山惣十郎 雄山閣 昭和42年 A5判 P238 函イタミ 函口および本体背から表紙にかけて濡れ跡大、裏表紙黴有 《※こちらの書籍は売り切れとなりました 2/21追記》

明治三十年生れの著者は大正初期、浅草オペラの草創期からその世界に関わってきた演出家・脚本家・俳優。
駆け出しの頃は演劇雑誌編集の小間使いとして森鴎外、徳田秋声らとも接し、日本人で初めて世界的な成功を収めたオペラ歌手・三浦環とも面識を持ち、のちには俳優として、演出家として、エノケン、ロッパをデビューの頃から見ているというのですから、まさに生き字引と呼ぶにふさわしい人物です。
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ニュートンと錬金術の時代

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ニュートンの錬金術 B・J・T・ドブズ 訳:寺島悦恩 平凡社
1995年初版 A5判 P443 カバーヤケ、クスミ、上部イタミ 裏遊び紙少ラベル剥がし跡 末尾数ページヨレ 《※こちらの書籍は売り切れとなりました 1/29追記》

アイザック・ニュートンが近代に遺した功績(たとえば光の屈折率と色に関する理論、現在の物理学の基礎となるニュートン力学、微分積分法の基礎定理などなど……)は知られていても、それらが17世紀後半の出来事であることまで知っている人はそれほど多くないかもしれません。
ましてやその時代の化学研究が近代のそれとは程遠く、神秘思想・ヘルメス主義に基づく“錬金術”であったことや、あまつさえニュートン自身が錬金術に関する多くの手稿を書き残していることなど、ちょっと聞いただけではトンデモ説か、何とかコードのようなフィクションと思われかねないほど、一般的なニュートン像とかけ離れています。
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昭和一ケタ少女の“お作法”

昨日サイトに登録しながら興味深く眺めた一冊がこちら。

少女倶楽部昭和六年五月號附録 『禮法 作法 少女大寫眞帖』14.8×19.8 折本38頁 経年イタミ、時代シミ 折り目少キレ 裏表紙上部の糊付け少剥がれ
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中のページを屏風のようにパタパタと畳む、「折本」とよばれるタイプ。
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少女雑誌の附録、しかも内容は礼儀作法、とくれば興味のない方がほとんどだろうと思います。
けれども、戦前の雑誌には本当に丁寧に作られているものが多く、また当時の文化・価値観・美意識などがギュッと詰め込まれているという意味でも、この一冊をご紹介する価値はあると思った次第です。
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