【前回まで】
真作か偽作か……諸々の疑問が残ったまま、さまざまな関係者の筆跡鑑定を根拠にして刊行に漕ぎつけた泉鏡花の未発表小説『新泉奇談』。
当然予想された読者・識者からの異議に対しては、原稿発見から10数年に渡る経緯と、筆跡鑑定の信憑性を記すことで回答に代えてきた村松定孝ら真作説派の面々ですが、じつは彼らは最大の難問を棚上げしていたのでした。
新泉奇談 泉鏡花 千部限定版 角川書店
昭和30年初版 四六判 P290 函ヤケ、天イタミ、時代シミ 元パラ上部少イタミ、袖折れ跡
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