70年代ファッション見本帳―VOGUE PATTERNS 1970年3月カタログ

先日、古書組合の市で買ってきた本の中にちょっと面白い品がありましたのでご紹介しておきます。
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(英語)VOGUE PATTERNS 1970年3月カタログ
1970年3月 27.7×36.6 900ページ超 表紙およびページ端イタミ大、汚れ 末尾数ページ下角濡れ跡

アメリカで洋裁用の型紙を販売する「ヴォーグ・パターンズ」の1970年の注文用カタログです。

とにかく大きい。重い。
vogue2岩波文庫と比較するとこんな感じです。

加えて表紙、ページ端にイタミが見られるなど、状態もあまりよろしくないのですが、中身のカッコよさに惹かれてつい入札してしまった次第。

その内容ですが、作品の完成見本を紹介したモデル写真やスタイル画がずらり。
これを見て型紙を注文し、好みの布を用意して自作するわけです。

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↑写真をクリックで拡大
ファッションといい、イラストのタッチといい、どのページを見ても1970年当時のスタイルを存分に味わうことのできる出来栄え。

型紙は500パターン以上、4~5枚のパーツで作れる比較的簡単な服から、ウェディングドレスまで、バリエーションも豊富。
一つの型紙に複数の作例を紹介したページも多数あるので、控え目に見積もっても1000点は軽く超える写真・イラストが収録されています。

たとえば下の写真にはページ見開きで10点のスタイル画が掲載されていますが、元になる型紙は左右1種類ずつ、合わせて2種類のみ。

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素材、色、柄、着こなし、あるいは丈を少し変えるだけで、まるで違った雰囲気に仕上がるのですね。

中には有名ブランドが提供したデザインもあるようで、クリスチャン・ディオール、イヴ・サンローラン、ジバンシー、ニナ・リッチ、その他ワタクシの知らないたくさんのブランド名が目に付きます。
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左ページがクリスチャン・ディオール、右ページがイヴ・サンローラン

もちろん、カタログですからこの中に型紙そのものが掲載されているわけではありませんし、今このカタログで型紙を注文することもおそらく出来ないでしょう。
そういった意味では、このカタログは本来の役割を果せない無用の一冊ということになるのかもしれません。
ただ、70年代のファッションの動向を知る、レトロなイラストを眺める、そういった資料としては十分に楽しんでいただけるかと思います。

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