新年ごあいさつ 2023年

あけましておめでとうございます。

昨晩は例年どおり仕事をしながらの年越し。
店を始めてから身に付いた習いで、節目節目こそ「なるべく普段どおりに古本を触って過ごしたい」という気持ちがあります。
たとえば落語「芝浜」の結末のようなしみじみとした年越しに憧れないでもありませんが、店主の性分からすれば、ここが節目という折にあんなふうに来し方に思いをやってしまえば、もう前に進む気力が挫けてしまうような、十年経ってもまだそういう不安が勝ってしまうので。

そうでした、節目といえばじつは昨年末に当店は開店10周年を迎えていたのですが、これまた普段どおりの仕事に明け暮れて、SNSなどで宣言することもなく、前後でお会いした数人に伝えただけに留まっておりました。
遅ればせながら、これまでお引き立てくださった皆さまに御礼を述べるとともに、今後もお力添えを賜りますようお願い申し上げます。

さて、その節目をシレっとやり過ごしたところで、少しだけ昨年を振り返ってみますと。
2020年から長らく自粛がちだった各種の催事が、昨年辺りからまた活発に企画されだしたようで、ありがたいことに当店にもお声が掛かることしばしば。
だいたい当店を催事に誘ってくださるのは以前から付き合いのある方ばかりですからね。喜び勇んで引き受けられるだけ引き受けて、あわやキャパシティオーバーでパンク寸前という時期もありましたが、どうにかやりおおせた一年でした。

考えてみればこうして沢山のオファーをいただくのも、曲がりなりにそれらを全うしたことも、おそらく10年前の斑猫軒には出来なかったはずで。
これという展望もないまま日々の仕事に追われるだけと思われた年月が、いつのまにか自分を助けてくれるようになったと思えば、それじゃまあ、もう少し頑張ってみるか、という気持ちも起こるというもの。

今年もすでに幾つか予定が入っておりまして、引き続き忙しくなりそうです。
目下最優先の課題は、本筋であるところのwebショップを疎かにしないこと。その前提で催事も引き受けられるよう、うまくスケジュールを調整しなくてはいけませんね。

良い本を皆さまにご紹介できるよう引き続き励みますので、本年も古本斑猫軒を宜しくお願い申し上げます。

古本斑猫軒店主 渡邉賢二

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