カテゴリー別アーカイブ: 店主の読書・調べもの・備忘録

琴線にふれる ~横溝正史「本陣殺人事件」と岡山一中琴の怪談~

8月末尾まで当店ウェブショップにて角川文庫・横溝正史作品を販売していることはすでにこのブログでもお知らせしておりますが、じつは当方の事情で販売リストに載せていない作品が1冊。

【『金田一耕助のモノローグ』(横溝正史著 平成5年 角川文庫)】
1976~77年に雑誌に連載していた文章を、横溝歿後10年以上を経た1993年になって文庫化したものです。 続きを読む

何日目かの日が暮れる ―内田百閒「件」作中の日数に関する調べもの―

2015年もあとわずかとなりました。
日々の仕事はもちろんのこと、経理方面の作業や年賀状の段取りなど、年の暮れにふさわしく所用に追われる今日この頃ですが、その合間をぬってここ数日、ちょっとした必要から内田百閒の短篇小説「件」周辺のことを調べています。
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手仕事の覚え書き:破れたページが直るまで

新しいブログの設定作業、過去の記事の加筆訂正、もちろん商品登録などの通常業務も……、とにかくパソコンに向かっている時間が長かったここ数日。

こういうときは無心に手を動かすような仕事が良い息抜きになるかと思いまして、合間をぬっては傷んでいる本の修理などもしておりました。

後から自分で参考にするための覚え書きも兼ねて、その作業工程を記録しておきます。
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泉鏡花『新泉奇談』をめぐる議論の経緯(4・終)

【前回まで】
真作か偽作か……諸々の疑問が残ったまま、さまざまな関係者の筆跡鑑定を根拠にして刊行に漕ぎつけた泉鏡花の未発表小説『新泉奇談』。
当然予想された読者・識者からの異議に対しては、原稿発見から10数年に渡る経緯と、筆跡鑑定の信憑性を記すことで回答に代えてきた村松定孝ら真作説派の面々ですが、じつは彼らは最大の難問を棚上げしていたのでした。

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新泉奇談 泉鏡花 千部限定版 角川書店
昭和30年初版 四六判 P290 函ヤケ、天イタミ、時代シミ 元パラ上部少イタミ、袖折れ跡
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